金融庁は7日、偽造キャッシュカードによる預金引き落としの被害急増を受けて、 被害者救済への自主的な取り組みを主要行に要請するとともに、 銀行法を改正して被害者救済を金融機関に義務付ける方向で検討に入った。 これまで、金融機関が偽造カードによる被害を補償することはほとんどなかったが、 被害額が拡大を続ければ『金融機関の信用が損なわれる(金融庁幹部)』と判断。 金融機関の管理責任を明確化して、一定額以上の被害を金融機関が負担するルールを導入する案が有力だ。
偽造キャッシュカードによる預金引き落としは、 ATM(現金自動受払機)が正しい口座番号と暗証番号だと認識した場合、 銀行には責任がないと判断される。 かりに偽造カードで預金が引き落とされたことが確認されても、 基本的に銀行は預金者を救済することはほとんどない。 被害にあった預金者が補償を求めるには、 自分が預金引き落としに関与していないなど責任がないことを証明する必要があるが、 銀行側の情報提供が少ないことから、極めて難しい状況だった。
米国では、預金者がカードの紛失盗難に気づいてから 2営業日以内に銀行に通知すれば、預金者の負担は50ドル(約5250円)以内にとどめ、 残りは銀行などが補償する『50ドルルール』が法制化されている。 また、英国では金融界が50ポンド(約1万円)を超える負担を預金者に求めない自主規制ルールを作っている。 金融庁は被害者救済の第1段階として、 主要行などに対して預金約款に損害の補償規定を盛り込むなど自主的な取り組みを求める考え。 しかし、金融機関側には『別の人間に預金を引き落とさせて、 盗まれた、とウソを言い補償をだまし取るケースもあり得る』と警戒する声が強い。 このため、金融機関に被害者救済を促すのと並行して、 米国の50ドルルールなどを参考に、 金融機関による損害補償を法制化する具体的な検討に入ることにした。 全国銀行協会の調べでは、偽造キャッシュカードによる預金引き落としの被害は、 2004年度上半期(04年4〜9月)で122件、4億6100万円に上り、 2003年度の年間91件、2億7200万円をすでに大きく上回っている。 金融機関は預金者にカードや暗証番号の管理徹底を呼びかけているが、 金融庁は『一般の預金者が、高度な知識を持った犯罪者に対抗するのは不可能。 銀行が有効な対策を取らなければ、預金者の信頼が損なわれる』と見ている。 関連ページ 通帳、印鑑の盗難被害に関するリンク集 キャッシュカードのトラブル、盗難被害や偽造事件 いろいろなセキュリティINDEX
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