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預金通帳を盗んでは押印欄の印影をスキャナーで読み取り、 偽造した印鑑を使って窓口で堂々と引き出す犯罪が多発している。 銀行側は通帳の押印をなくすなどの対策を講じているが、古い通帳には押印があり、 通帳と印鑑があれば本人と見なされている。 警察庁によると、通帳の盗難は年間約3万件。 こうした被害に預金の返還を求める訴訟も相次いでおり、 これまでに約70人が28の金融機関に計約5億円の返還を求めているほか、 6月には新たに約20人が提訴する構えだ。
被害にあった都内の男性は、自宅から通帳数冊を盗まれ、 都市銀行2行で定期預金計1100万円を引き出された。 印鑑は盗まれなかったが、銀行の窓口に出された払戻請求書には、 通帳と同じ印が押されていた。 『盗まれた古い通帳の印影からパソコンのスキャナーを使って印鑑を偽造した犯行(警察)』 だった。 払戻請求書の住所や氏名の筆跡は女性のものとは違い、 自宅の電話番号の記載はなかった。 ある都銀の定期預金は、犯行数日前に開設したばかりの新規口座。 それが利用したことがない支店で解約されていた。 別の都銀の預金は、 被害の前日『登録印と印影が違う』と払い戻しが拒否されていた。 会社員は『不自然な点があるのに簡単に払い戻しに応じた銀行の対応は問題だ。』と憤り、 都銀2行に預金返還を求める訴訟を起こす準備を進めている。
ある都銀によると、偽造印鑑で預金が引き出される被害は1998年ごろから増え、 年に100件前後の苦情や問い合わせがあるという。 最近は空き巣の手口が巧妙化し、盗難に気がつかないまま預金が引き出される被害も多い。 警察庁によると、預金通帳の盗難事件は毎年全国で3万件近く起きているという。 払い戻しの手口は印鑑を偽造するほか、 スキャナーで読み取った印影を直接払戻請求書に印刷する。 都銀各行は昨年までに、新規発行の通帳から押印欄を廃止。 地方銀行や信用金庫、信用組合なども次々に同様の措置を講じている。 しかし、古い通帳はそのまま使えるため、被害は後を絶たないのが実情という。 今年1月に施行された本人確認法は、 金融機関に口座開設時や200万円を超える出金や送金の際、 免許証などでの確認を義務付けている。 しかし金融庁は、 『口座開設時に本人確認がされていれば、解約や払い戻しの際の確認は不要。』と話す。
首都圏などの計70人が昨年9月と12月に28の金融機関に計約5億円の返還を求めて東京など 6地裁に提訴したほか6月には東京などの約20人が提訴するという。 しかし、裁判の多くで『窓口に来た全員を本人確認するのは困難』などとして 被害者側が敗訴しているという。 本人確認法 金融機関に顧客の氏名、 住所、生年月日を運転免許証やパスポートで確認するよう義務づけ、 取引記録を7年間保存することも定めている。 米同時テロを受け、テロ資金などのマネーロンダリング防止を主な狙いとしている。 関連ページ 盗難通帳から預金引き出し被害、東京地裁が銀行の過失を認定。 盗難通帳での預金支払い、銀行の過失認めず原告が逆転敗訴 通帳、印鑑の盗難被害に関するリンク集
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