郵便物の損害に対する国の賠償責任範囲を拡大する改正郵便法が27日午前の参院本会議で可決、成立した。 改正法では、遅延や誤配で損害を受けた場合も国の賠償範囲とした。 追加された賠償範囲については、利害関係があれば誰でも請求できる。
■ 国が賠償責任を負う郵便物とは? トラブル時に補償の対象となるのは、『郵便局に記録が残るもの』とされている。 →書留、郵便小包 これらが紛失、棄損したときは、差出人や受取人は損害賠償を求めることができる。 一般葉書などの郵便物は送ったという証拠が残らないので対象にはならない。 ■保護の内容 これまで紛失、棄損に限定されていた補償の範囲が、遅配、誤配に伴う2次的な損害にまで拡大された。 紛失、棄損だけが補償の対象だった改正前は、郵便物そのものの価格分しか補償されなかった。 ※たとえば小包書留で送った5万円相当の品物を紛失したとき、5万円が賠償された。 棄損の場合は5万円を限度に損傷の程度に応じた額が支払われる。 ただ、大切なものが届かないことで、その物の価格以上に被害を受けることがある。 契約書類や請求書の配達の遅配などがこれ。 これらに伴う2次的な損害は一律に賠償の対象外となっていたが、法改正で補償の対象となった。 通常小包は6000円、簡易書留は8000円が限度でそれ以上の価値のあるものは 送れないことになっている。現金書留の限度額は50万円、現金以外の一般書留は500万円。 書留の送料は送る荷物の価格が高くなればなるほど高くなる。 改正で新たに賠償の対象となった二次的な損害については、賠償限度額の規定はない。 損害賠償を請求すると、郵政事業庁の監察官が損害の程度などを 調査して金額を決める。折り合いがつかなければ最終的は裁判所の判断を仰ぐこととなる。 ■それ以外の改正ポイント これまでは郵便物の差出人と受取人しか賠償を受ける権利はなかったが、 新しく第三者も対象に含まれることになった。 誤って配達されたクレジットカードが不正使用された例では、 カード会社はこうした場合に備えて保険に入っているので、不正使用分に金額は最終的には 保険会社の負担となる。このケースでは、郵便書留の差出人はカード会社、 受取人はカード利用者だが、実際に損失を被った保険会社が賠償請求をすることができる。
■民間の宅配会社は? 宅配便を扱う全ての物については全ての物に記録があり、補償の対象になっている。 約款を設けて、会社側の責任や免責事項、賠償の範囲などを細かく規定している。 郵便局が新たに賠償責任とした遅滞、誤配については宅配会社は以前から賠償の対象となっている。 約款には、『荷物を特定した日時に使用できなかったことにより生じた財産上の損害を、 限度内で賠償する』などと書いてある。この限度額とは通常は荷物の価格の事を指し、 事故などの場合にはこの規定が適用される。 『故意や重大な過失によって紛失、棄損、遅延について一切の損害を賠償する』といった 規定を盛り込んでいるのが一般的。この規定が適用されれば、被害額全てが補償されることとなる。 しかし、故意や重大な過失があったことを証明する必要があり、実際には裁判で争われる事となる。 関連ページ 郵政事業庁のホームページ 郵政事業庁、郵便局の取扱いに疑問が生じた場合 郵便物、宅配便の安全関連のホームページ
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